眼科医のための英語論文の読み方

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眼科専門医試験解答例2016(その1)

time 2016/12/02

眼科専門医試験解答例2016(その1)

専門医試験の問題は、日本眼科学会会員であれば、

http://www.nichigan.or.jp/member/senmon/examination.jsp

からダウンロードすることができます。会員番号は、毎月送られてくる日眼会誌の外装のビニールの左上の方に記載されています。

まずは、眼科学(第2版)(文光堂)を繰り返し読み、暗記してしまうのがベストです(そんなことができたらだれも苦労しませんが(爆))。問題を作成されている先生の関係上、最新の過去問から勉強していくのがお勧めです。眼科専門医セルフアセスメント(第3版)(文光堂)は、第1回~第22回までの過去問とその解答が分野ごとに解説されていますが、第15回以降だけ解くなどした方が、挫折しにくいと思います。

以下の解説のところに、(p515)などと記載してあるのは、眼科学(第2版)p515に記載してあるという意味です。

A問題から、10問ずつ、記載していきます。

28A

1. a, d

b: 角膜実質と角膜内皮は神経堤細胞

c: 角膜実質と角膜内皮は神経堤細胞

e: 網膜は神経外胚葉

 

2. d

杆体が約1億3000万個、錐体が約650万個、神経節細胞が約100万個

 

3. d

a: 硝子体容積は約4ml

b: 強膜厚は、後極部で約1.2mm、赤道部でやや薄くなり、角膜移行部で約0.6mm、直筋の付着部直下で最も薄く0.3-0.4mm

c: 視神経乳頭の直径は硝子体側で約1.5mm

d: 毛様体雛壁部の後縁は角膜輪部から2-2.5mm、扁平部の幅は3-4.5mm、鋸状縁の角膜輪部から距離は鼻側で5.5-6mm、耳側で6.5-7mmである。

e: ×

The ultrastructural analysis of the human retina shows that the ILM appears as a 10?μm thick,

Proceeding from peripheral to central macular retina, the ILM thickness increases up from 0.4 μm to about 1.4 μm.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26425352

 

4. a

a: 房水産生は、睡眠時は覚醒時に比べて少ない。

b: 限外濾過では、膜を介する液が受ける圧力差によって、水分は圧が高い側から低い側へ移動する。房水産生の主要な機序としては考えにくい。

c: 房水産生は、加齢とともに低下する。

d: 経ぶどう膜流出路の房水流出は圧非依存性で、0.2-0.4 μl/分、経Schlemm管流出路の流出は圧依存性で、2.1-2.3 μl/分と考えられている。

e: 経ぶどう膜流出路の房水流出は圧非依存性で、0.2-0.4 μl/分、経Schlemm管流出路の流出は圧依存性で、2.1-2.3 μl/分と考えられている。

<参考>房水は、毛様体ひだ部で血液から産生され、産生量は約2.5 μl/分である。房水の産生には能動輸送、限外濾過、拡散が関与するが、能動輸送が主要な部分を占める。

 

5. e

電解質:前房水ではNa+, Clは濃度が高く、K+とHCO3は濃度が低い。

アミノ酸:前房水の方が血漿より高いが、グルタミン酸、グリシン、プロリンは低い。

 

6. c

対光反射経路:網膜視細胞→網膜神経節細胞→視交叉→(外側膝状態に至る直前で)視蓋前域でニューロンを変え→Edinger-Westphal核→動眼神経に沿って走行→海綿状脈動、上眼窩裂→動眼神経下枝→毛様体神経節→毛様体筋(95%)+瞳孔括約筋(5%)

 

7. b

少数視力=1/最小視角

5mの距離から切れ目1.5mmが判別できれば視力1.0なので、視力0.5の場合、最小視角は約2倍の3.0mm。

 

8. c

 

9. e

d: 偽陽性応答ががあると、測定結果が本来の感度よりも高く評価される。

e: ハンフリー視野計のSITAでは、視標呈示からの応答時間によって偽陽性をカウントしている。

視野に影響を及ぼす因子:

測定条件では、背景輝度・視標サイズ・視標呈示時間

被検者側の要因では、偽陽性/偽陰性応答・固視不良・学習効果・疲労減少・瞳孔径・短期変動・長期変動・加齢・中間透光体

検査時のアーチファクトでは、矯正レンズ枠・矯正レンズ・上眼瞼・姿勢/頭位・説明方法/監視

 

10. d

a: 円柱レンズ度数の決定法としては、乱視表を用いる方法と、クロスシリンダーを用いる方法がある。

b:

c: 最良矯正視力を得る最も遠視よりの球面度数のレンズを使用するので、最小錯乱円は網膜の後方

d: 乱視軸と乱視度数を求めることができる。

e: クロスシリンダーレンズは、同じ屈折力のプラスの円柱レンズとマイナスの円柱レンズが軸が直交した形をしている。

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