眼科医のための英語論文の読み方

これであなたも読んだつもり(〃ノωノ)

「ミトコンドリアDNAはAMDにおいて炎症誘発の役割をもつ」

time 2015/10/17

「ミトコンドリアDNAはAMDにおいて炎症誘発の役割をもつ」

Mitochondrial DNA has a pro-inflammatory role in AMD.

 

Biochim Biophys Acta. 2015

 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26305120

 

「ミトコンドリアDNAはAMDにおいて炎症誘発の役割をもつ」

 

  • 加齢黄斑変性症(AMD)には慢性炎症が関与すると言われている。
  • また、ミトコンドリアDNA (mtDNA)は近年アルツハイマーや心不全など様々な疾患において炎症誘発因子であると報告されている。

 

今回著者らは、細胞内mtDNAが、ARPE-19 cellでAMDの発症や進行に関連すると言われている炎症性サイトカインIL-6やIL-8の分泌を誘導していることが分かったので、報告している。

 

  • 炎症性サイトカイン分泌誘導はmtDNAのサイズが大きいほど増強したが、誘導には特異的配列があるわけではなかった。

 

  • 酸化ストレスはAMDの進行に大きく影響するが、mtDNAの酸化が炎症性サイトカイン分泌に影響を与えるかどうか検討したところ、酸化mtDNAは非酸化mtDNAに比較してIL-6やIL-8の分泌を強く誘導した。

 

  • STING(インターフェロン遺伝子の促進因子)は感染時に外来DNAに対する免疫応答や、自己免疫での自己DNAへの応答において重要な働きをもつが、ARPE-19 cellのSTINGをノックダウンすると、mtDNAによるIL-6やIL-8分泌の誘導が一部阻害された。
  • NF-κBはSTINGによって活性化されるので、これも関係するかどうか、阻害剤を使用して調べたところ、阻害剤の量依存的にmtDNAのIL-6やIL-8分泌誘導が抑制された。
  • これらにより、サイトカインの誘導はSTINGやNF-κBによって媒介されていると考えられた。

 

  • NLRP3インフラマソーム(炎症やアポトーシスに関わるタンパク複合体)はNF-κBによって誘導されるので、mtDNAはNLRP3インフラマソームを誘導するのではないかと考えた。
  • これを検討するため、mtDNAをトランスフェクションしたARPE-19 cellのIL-1β、IL-18、caspase-1の前駆体のレベルを調べた。
  • IL-1β前駆体、caspase-1前駆体のレベルがupregulateされていた。
  • この結果から、mtDNAはNLRP3インフラマソームを誘導したと考えられた。

 

  • またSTINGのノックダウンやNF-κB阻害剤を使用した実験で、mtDNAがNLRP3インフラマソームを誘導するのはSTINGやNF-κB経路を介して起きていることが分かった。

ミトコンドリアのDNAが炎症性サイトカイン分泌を誘導し、AMDにつながっていくかもしれないのですね。そもそもミトコンドリアDNAが細胞内に露出する状況としてオートファジー機能不全や網膜色素上皮細胞の死が挙げられていますが、これはどういう状況で起きうるのでしょうか。今回この論文で明らかにされた経路のさらに上流と下流がつながると面白いですね”(*>ω<)o”

 

 

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