2019/10/29

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The Effect of Cataract Surgery on Circadian Photoentrainment: A Randomized Trial of Blue-Blocking versus Neutral Intraocular Lenses.
Ophthalmology. 2015
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26233628
「白内障手術がサーカディアンリズムの光への同調性に与える影響について
ブルーライト遮断眼内レンズ vs. 無着色眼内レンズのランダマイズド試験」
- 睡眠は睡眠と覚醒のバランスを維持する恒常作用と視交叉上核で作られるサーカディアンリズムによって制御されている。サーカディアンリズムは太陽の24時間、特に昼光に同調するという外部からの合図に依存している。
- サーカディアンリズムの光への同調は光感受性の神経節細胞から視交叉上核へ投射されることで起きる。神経節細胞はメラノプシンを発現しており、460-480nmに吸収ピークをもつブルーライトを吸収する。そのため、サーカディアンリズムの同調性には、ブルーライトが重要と考えられる。
- 白内障は水晶体の混濁で、それによって、光、主にブルーライトの散乱や吸収が起きるため、サーカディアンリズムへの同調性が減っている可能性があるかもしれない。
- これまでブルーライト遮断眼内レンズ(IOL)は光毒性のあるブルーライトから網膜を守るレンズとして加齢黄斑変性症の予防にもなるかもしれないと考えられてきた。しかし、ブルーライト遮断IOLがサーカディアンリズムを乱す可能性も考えられる。
そこで、今回著者らは白内障手術がサーカディアンリズムへの同調性および睡眠に与える影響を評価するとともに、移植したIOLのブルーライト透過性の影響についてランダマイズド試験にて検討した。
- 対象患者は72人。
- ブルーライトに対する瞳孔反応性は、術前に比べると、術後3週間で24%増加した。しかし、ブルーライト遮断IOL群と無着色IOL群で有意差はなかった。
- アクチグラフィー(睡眠覚醒判定法)では、最も活動的な時間帯の開始が、術後に21.6分早まっていた。睡眠の連続性を調べたところ、術後には8%上昇していた。どちらもIOLのタイプによって差は見られなかった。
- 夜間にピークとなる唾液中のメラトニン濃度は、術後23%増加していた。統計的に有意ではないが、唾液中のメラトニン増加開始は、術後で43分早く起きた。ブルーライト遮断IOL群では57分早く起きた。一方で、無着色IOL群ではメラトニン増加開始時間に変化はみられなかった。
- その他のアクチグラフィーのパラメーターには、差は見られなかった。
- 質問形式による睡眠の質評価では、術前術後で差はみられず、IOL群間での差もみられなかった。
今回の試験では、IOL群間で差は見られなかったが、術前の白内障がある状態では、ブルーライト透過率が32%であるのに比べ、ブルーライト遮断IOLや無着色IOLのブルーライト透過率がそれぞれ80%と95%とかなり高い数値であることを考えても納得できる。
白内障手術によって睡眠の質が改善するとは、素敵ですね!
それにしてもブルーライト遮断IOLといいながら、80%も透過していたことを今更知り、驚いています∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
まぁ、当然ですか。
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