2019/10/29

Ophthalmology
September 2017
http://www.aaojournal.org/issue/S0161-6420(16)X0021-8
気になった記事だけ(´∀`*)
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United States Multicenter Clinical Trial of Corneal Collagen Crosslinking for Keratoconus Treatment
進行性円錐角膜の治療に対するコラーゲンクロスリンキング(CXL)の安全性と効果を調査。
CXL群では1年にケラトメトリー値が1.6D減少したが、コントロール群では進行した。また矯正視力はlogMAR視力で平均5.7の改善を認め、裸眼視力は4.4の改善を認めた。CXL関連の副作用としては角膜混濁が最も多く見られた。内皮細胞数は治療後1年たっても変化を認めなかった。
Functional Magnetic Resonance Imaging to Assess the Neurobehavioral Impact of Dysphotopsia with Multifocal Intraocular Lenses
多焦点眼内レンズ挿入術を最近受けた患者の異常光視症と神経応答の関連についてfunctional MRIを用いて調査。
グレア存在下で低コントラスト刺激を見た場合、努力に関係した注意ネットワークの活性化が有意に見られた。一方で、コントロール群では視覚領域の相対的な不活化が見られた。患者はまた、記憶やタスク計画、解決に関わる皮質領域にも比較的強い誘導が見られた。Quality of Visionスコアと眼科所見には関連が見られなかった。
皮質領域のこの活性化は多焦点IOLに対する神経適応の始まりと考えられた。
Brolucizumab Versus Aflibercept in Participants with Neovascular Age-Related Macular Degeneration: A Randomized Trial
brolucizumabは、VEGF-Aのすべてのアイソフォームを阻害する単鎖の抗体片である。抗VEGF抗体の中では最も小さい抗体で、26kDaの分子量。
AMDに対するbrolucizumabの効果と安全性をアフリベルセプトと比較した。
ランダマイズド、二重盲、多施設、phase 2研究。
投与方法は3か月間毎月と、その後8週間後とに診察と投与を40週まで継続。brolucizumab群では、最終期間を12週毎の2区間に延長したが、アフリベルセプト群はそのまま8週毎で継続。診察時の医師の裁量で予定外の治療も可能とした。矯正視力の変化は両群に有意差はなかった。8週ごとの治療期間中の病状は、アフリベルセプト群に比べてbrolucizumab群のほうが安定していた。(予定外の治療の回数やSD-OCTで計測したcentral subfield thicknessの減少量で比較)また、アフリベルセプト群に比べてbrolucizumab群のほうが、網膜内液や網膜下液が改善した。およそ50%のbrolucizumab治療眼は12週毎の期間中に矯正視力が変化しなかった。副作用には差が無かった。
Rates of Local Retinal Nerve Fiber Layer Thinning before and after Disc Hemorrhage in Glaucoma
乳頭出血(DH)とRNFLの菲薄化の割合に関連があるかどうか調査。観察コホート研究。
33患者の36眼で上方もしくは下方のDHが見られた。DHが出現した後は、DHのあった領域のRNFLの菲薄化が、DHのなかった領域に比較して速かった。DH出現後に治療を強化した18眼では、治療強化前にDHのなかった領域はRNFLの菲薄化速度が小さくなったが、DHのあった領域では変わらなかった。治療を強化しなかった18眼では、DH領域のRNFLは菲薄化の速度が大きくなった。さらに治療強化しなかった群に比べて強化した群では、DH出現後のDH領域、DHなし領域および全体のRNFL菲薄化速度が有意に減少した。多変量解析では、治療強化、視野検査のmean deviation、DH出現前後の眼圧変化がDH出現後のRNFL菲薄化速度と有意に関連しているという結果となった。
Therapies for Macular Edema Associated with Branch Retinal Vein Occlusion
BRVO後の黄斑浮腫に対する治療について安全性と効果を調査。
PubMedから文献を引いて調べた。
Level Iエビデンスは10個の論文から抗VEGF薬(ベバシズマブ、アフリベルセプト、ラニビズマブ)。
他に、Level Iエビデンスとして6研究から、硝子体内ステロイド投与(トリアムシノロン、デキサメサゾンインプラント)。
あと、Level Iエビデンスとして、グリッドレーザー光凝固と、周辺光凝固。
エビデンスレベルについて
1a ランダム化比較試験のメタアナリシス
1b 少なくとも一つのランダム化比較試験
2a ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究(前向き研究,prospective study,concurrent cohort studyなど)
2b ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究(historical cohort study,retrospective cohort studyなど)
3 ケース・コントロール研究(後ろ向き研究)
4 処置前後の比較などの前後比較,対照群を伴わない研究
5 症例報告,ケースシリーズ
6 専門家個人の意見(専門家委員会報告を含む)
また新たな抗VEGF薬が登場するのでしょうか!?( ‘ jjjj ’ )