眼科医のための英語論文の読み方

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眼科専門医試験解答例2019(その1)

time 2019/10/23

眼科専門医試験解答例2019(その1)

専門医試験の問題は、日本眼科学会会員であれば、

http://www.nichigan.or.jp/member/senmon/examination.jsp

からダウンロードすることができます。会員番号は、毎月送られてくる日眼会誌の外装のビニールの左上の方に記載されています。

また、眼科臨床紀要会に入会(年会費 20,000円)すれば、以下のサイトから、第28回以降の専門医試験の解答を得ることができます。(このサイトの存在意義が、、、)

または、約2万円で、上記の直近8年分の解答を購入することができます。

試験対策ですが、まずは、眼科学(第2版)(文光堂)を繰り返し読み、暗記してしまうのがベストです(そんなことができたらだれも苦労しませんが(爆))。問題を作成されている先生の関係上、最新の過去問から勉強していくのがお勧めです。眼科専門医セルフアセスメント(第3版)(文光堂)は、第1回~第22回までの過去問とその解答が分野ごとに解説されていますが、第15回以降だけ解くなどした方が、挫折しにくいと思います。それよりも、2019年10月に発売された『眼科専門医への最短コース 眼科専門医認定試験問題集 第23~30回』がよさそうです。

以下の解説のところに、(p515)などと記載してあるのは、眼科学(第2版)p515に記載してあるという意味です。

A問題から、10問ずつ、記載していきます。

H31 一般問題

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31A1. d, e

31A1. d, e
a× 黄斑では外網状層はHenle’s fiber layerと呼ばれる。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21071737
Henle’s fiber layer (HFL) contains bundles of unmyelinated cone and rod photoreceptor axons terminating in the pedicles and spherules that synapse in the retinal outer plexiform layer (OPL).
https://en.wikipedia.org/wiki/Hassall%E2%80%93Henle_bodies
Hassall-Henle小体は、加齢に伴って角膜内皮周辺部に形成される瘤である。
(眼科診療クオリファイ12 角膜内皮障害 to the rescue)
b× キサントフィルは視細胞の外節(網膜切片では視細胞層)に多い。
macular xanthophylls are accumulated in the nerve fibers and photoreceptor outer segments.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20494651
c×? FAZの直径は0.5mm.
https://en.wikipedia.org/wiki/Foveal_avascular_zone
Its diameter is 0.5mm, the central 1.5 degrees of an individual’s Visual field.
d〇 脈絡毛細血管板choriocapillarisは、脈絡膜の各層のうち、ブルッフ膜(基底板)のすぐ外側の層。1層の比較的太い毛細血管のネットワークからなる。有窓の血管内皮細胞をもつ。色素細胞はない。網膜中心窩付近でとくに発達している。
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3742.html
e〇 中心小窩foveolaは中心窩中最も薄いところ。網膜成分のうちほとんど錐状体細胞のみで構成される。直径約0.2~0.4mm。この中に2,500個の錐状体細胞がある。


http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/TA(html)/A15_2_04_023.html
黄斑の直径1.5mmの範囲には、神経線維層は無い。
The foveola consisted of an inner layer (thickness, 5.5-12 μm) which mainly contained somata (including nuclei) and inner processes of Müller cells; this layer overlaid the central Henle fibers and outer nuclear layer.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29242027

黄斑の解剖とOCTは頻出。
https://www.nakayamashoten.jp/sample/pdf/978-4-521-73476-7.pdf
眼科診療クオリファイ18 眼底OCTのすべて

OCTでは、対象が測定光に対して垂直に存在すると、反射光が強くなり、OCTでは高反射として描出される。 よって、

(1)神経線維層NFL
(2)内網状層IPL
(3)外網状層OPL

がOCTでは白く(high)映る。
また、OCTで白く映るものとして、さらに以下のものがある。

(4)外境界膜ELM(Muller細胞の先端が視細胞内節の周囲を取り囲んでいる部分。基底膜では無い。)(OCTでは細い)
(5)IS-OS line(視細胞の内節と外節の間)(OCTでは太い。黄斑でくいっと曲がっている。)
(6)COST(cone outer segment tip)
(7)網膜色素上皮層
なお、健常眼では見られないが、網膜色素上皮剥離を生じた際にはBruch膜が描出される。
(PCV(polypoidal choroidal vasculopathy)では、異常血管網の部位にdouble layer signとしてBruch膜のラインが認められることが多い。)

https://webvision.med.utah.edu/book/part-i-foundations/simple-anatomy-of-the-retina/
SIMPLE ANATOMY OF THE RETINA BY HELGA KOLB

黄斑の直径1.5mmの範囲には、神経線維層は無い。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21071737
IOVS 2011
Revealing Henle’s fiber layer using spectral domain optical coherence tomography.
Henle’s fiber layer (HFL)

31A2.

31A2.
a
b
c
d
e

31A3. e

31A3. e
a
b
c
d
e〇 強膜は視神経乳頭周囲で最も厚い(1 mm)。

後方の、視神経が入る部位付近で最も厚く(1mm)、角膜との境界部より6mmほど後方で最も薄い(0.4mm)
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3742.html

31A4. a, b, e

31A4. a, b, e
a〇 Photoreceptor cells are typically arranged in an irregular but approximately hexagonal grid, known as the retinal mosaic.
https://en.wikipedia.org/wiki/Photoreceptor_cell
b〇 
c
d
e〇 The RPE is composed of a single layer of hexagonal cells that are densely packed with pigment granules.
https://en.wikipedia.org/wiki/Retinal_pigment_epithelium

31A5. a, d

31A5. a, d
a〇? 朝顔症候群morning glory syndromeの原因は不明。
The embryonic origins of morning glory anomaly is not clear but is hypothesized to be either due to a defect in fetal fissure closure or a primary mesenchymal abnormality.
https://eyewiki.aao.org/Morning_Glory_anomaly
b× 色素失調症
遺伝形式XD、原因遺伝子はIKBKG
皮膚の異常に基づいて診断されます。
眼の症状は30%にみられ斜視が最も多く、先天白内障や視神経の異常がみられることもあります。なかでも問題になるのは網膜の異常です。網膜は眼球壁の内張をしている神経の膜ですが、その細い血管が閉塞します。閉塞は生後1年以内に生じ、その後は進行しないとされています。網膜血管の閉塞が高度だと異常血管が発生し、眼内出血や網膜剥離を引き起こすなど未熟児網膜症とよく似た変化をきたし、失明や高度の視力障害に至ることがあります。
眼の合併症のうち、斜視や白内障はそれぞれ単独で発症した場合と同じように治療します。網膜血管の閉塞が確認されたら,速やかに閉塞部に網膜光凝固を行って進行を防止します。それでも進行したり、すでに網膜剥離を生じている場合には、網膜の手術を行うこともあります。
http://www.japo-web.jp/info_ippan_page.php?id=page31
c× Peters異常は生まれた時から虹彩と角膜が癒着し、角膜の中央部に濁りを生じる病気です。約80%が両眼性です。発生の段階(胎生6~16週)で何らかの異常や変異が起こり、眼球の前半部分が正常に発育できないために、ペータース異常を生じると考えられています
http://www.japo-web.jp/info_ippan_page.php?id=page06
d〇 何らかの原因で胎生裂の閉鎖が妨げられると、瞳孔から下方に伸びる裂け目が生じる。これをコロボーマ(coloboma)といい、その程度に従って、虹彩コロボーマ、脈絡膜コロボーマという。
http://db.kobegakuin.ac.jp/kaibo/has_pp/txt/shikaku1.html (視覚器の発生)
e× Persistent fetal vasculature (PFV), previously called persistent hyperplastic primary vitreous (PHPV), is a congenital defect that results when the fetal hyaloid vasculature fails to regress. The condition is almost always unilateral and associated with microphthalmia.
https://webeye.ophth.uiowa.edu/eyeforum/atlas/pages/PFV/index.htm

https://eyewiki.org/Persistent_hyperplastic_primary_vitreous

fetal fissure closure 胎生裂の閉鎖 いつおこる?
https://embryology.med.unsw.edu.au/embryology/index.php/Timeline_human_development#Vision

31A6. e

a〇?  It is the smallest nerve in terms of the number of axons it contains.

b〇 滑車神経核は下丘の最尾側端のレベルで中心灰白質の腹側にある。その軸索は背側に向かい、中脳水道の背側で交叉してから脳幹を去る。脳幹を出た線維は頭外側方に走り、海綿静脈洞を通過して、上眼窩裂から眼窩にはいり上斜筋を支配する。(→滑車神経

c〇  眼運動神経は、動眼神経(III)、滑車神経(IV)、外転神経(VI)である。

  • 動眼神経(体性運動性と副交感性)は上眼窩裂を通って眼窩内に入り、上下の2枝に分かれる。
  • 滑車神経 は上眼窩裂を通って眼窩内に入る
  • 外転神経 は上眼窩裂から眼窩にはいり、内側から外側直筋を支配する。

d〇 上眼瞼挙筋は動眼神経支配。瞳孔括約筋(sphincter pupillae muscles)は、副交感神経(動眼神経)支配。

e× 動眼神経(III)核は中脳の上丘レベルにある。
   外転神経(VI)核は橋・延髄にある。

https://www.akira3132.info/midbrain.html

尾側と吻側
脳幹と小脳においては脊髄のある方を尾側caudal(下のイメージ)、中脳と第三脳室のある方を吻側rostral(上のイメージ)と言う。間脳と大脳においては普通の座標で前を吻側、後ろを尾側と言う。

wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Trochlear_nerve

http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/cranial/cn4.html

31A7. b

a〇 水晶体 – 表層外胚葉

b×?  ぶどう膜メラノサイト は、神経堤細胞 由来。

c〇 角膜内皮 – 神経堤細胞

d〇 線維柱帯 – 神経堤細胞

e〇 毛様体上皮 – 神経外胚葉

眼組織の発生起源(頻出)(眼科学p1568)

神経外胚葉 neuroectoderm

神経網膜、網膜色素上皮、虹彩上皮、毛様体上皮、瞳孔括約筋・散大筋、硝子体
(神経堤細胞もあり) 、視神経

表層外胚葉 surface ectoderm

水晶体、角膜上皮・結膜上皮、Zeis腺・Moll腺、マイボーム腺、涙腺、涙嚢・鼻涙管

中胚葉 mesoderm

血管、眼輪筋・瞼板、眼瞼および眼窩の脂肪と結合組織

神経堤細胞 neural crest cells

Bowman膜・角膜実質・角膜内皮、虹彩実質・毛様体実質・毛様体筋、強膜、隅角・線維柱帯、硝子体(神経外胚葉もあり)、ぶどう膜メラノサイト、視神経鞘(髄膜)、眼窩骨壁

31A8. c

2014年頃から、視細胞内節-外節ライン(IS/OS line)を Ellipsoid line と呼称するようになった。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jorthoptic/44/0/44_044S001/_pdf/-char/ja

31A9. b, c

a× ドルーゼン:網膜色素上皮細胞層とBruch膜の間(→ドルーゼン

b〇 軟性白斑 cotton wool spots: 神経線維層
They are caused by damage to nerve fibers and are a result of accumulations of axoplasmic material within the nerve fiber layer

c〇 嚢胞様腔:外網状層
  糖尿病黄斑浮腫DMEの嚢胞様黄斑浮腫(Cystoid Macular Edema:CME)は、網膜の中の外網状層、主にHenle線維層に嚢胞腔が形成される状態。→糖尿病性黄斑症について(その2)

d

e× 刷毛状出血(はけ状出血): 神経線維層

31A10. b, c

a×  下斜筋:外方回旋・上転・外転

b〇 下直筋: 下転・外方回旋・内転

c〇 上斜筋:内方回旋・下転・外転

d× 上直筋:上転・内方回旋・内転

e× 内直筋:内転

外眼筋とその作用方向(作用の強い方向から記載)

眼球+外眼筋の絵を描くと、作用方向を求めることができます。
→外眼筋の図
https://i-doctor.sakura.ne.jp/font/?p=882

外直筋:外転
内直筋:内転
上直筋:上転・内方回旋・内転
下直筋:下転・外方回旋・内転
上斜筋:内方回旋・下転・外転
下斜筋:外方回旋・上転・外転

a

b

c

d

e

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